魔球カーブで1軍一直線!!

 阪神の新外国人ブレイン・ボイヤー投手(31=ロイヤルズ3A)がリーグ戦再開の21日DeNA戦(長野)から1軍に参戦することが決まった。19日に甲子園でシート打撃に登板。主力5人と対戦し、桧山、西岡、鳥谷から3三振を奪った。和田監督も1軍昇格を明言。抑え候補の1人として期待が高まった。

 ボイヤーにエンジンがかかってきた。いまにも雨が降りそうな甲子園で力強いデモンストレーションを敢行した。主力相手のシート打撃。桧山と対戦し、真価を発揮した。2-2からの5球目。内角低めにカーブを配すると、ベテランのバットはクルリと空を切った。

 西岡には重量感のある直球でファウルを打たせ、最後はカーブで空振り三振。鳥谷にはバットを振らせず、三振を量産する。打者5人で3奪三振。腕組みしながら見守った和田監督もうなずいた。

 「本番に入ったら、もっといいものを出してくれる。うちの打者もてこずっていたし、キレもあった」。これで1軍GOサイン。21日DeNA戦からのベンチ入りが正式に決まった。

 新助っ人も、いま話題の二刀流で勝負!?

 この日の20球のうち、19球が直球とカーブ。チェンジアップはわずかに1球だけだ。シンプルすぎる配球に工夫を凝らす。宝刀カーブは2種類の軌道を操るという。ボイヤーは「落差のある緩めのタイプと、もう少しスピードがあるタイプ」と説明。同じ球種でも変化をつけて打者の目線を惑わす。空振り三振の桧山は「スラーブみたいだったね。腕の振りが小さい」と評した。

 191センチの長身だが、角度をつけて投げ下ろすタイプではない。テークバックは小さく、キャノン砲のごとく、ぶっ放す。マスクをかぶった藤井彰も「思ったよりストレートにキレがあった。もう少し、スピードが出そう」と手応えを口にする。2軍戦では4試合に調整登板して4回で3失点。本調子ではなかったが、変わり身を期待される。

 抑えの久保が不調で、5月下旬に緊急獲得した。昇格後の起用法について、和田監督は「展開による。点差、打者に合わせながら」と言及した。セットアッパーからの起用が濃厚だが、守護神の可能性もゼロではない。ボイヤーも「誰と対戦しても、自分の球にいつも自信を持って投げているからね」と胸を張る。最速158キロの剛腕は猛虎進撃の推進力になれるか。【酒井俊作】