日本ハム大谷翔平投手(18)が、「5番投手」で先発した広島戦での本格二刀流デビューから一夜明けた19日、再挑戦へ意欲を見せた。今後はリーグ戦が再開するため、チャレンジが実現した場合は、DHを放棄して打順に組み込まれることになる。DHで起用されているアブレイユやホフパワーらとの競争に勝たなければならず「いまはまだ早い」と謙虚に受け止めながらも、栗山監督に再度二刀流起用したいと思わせる選手になることを目標に掲げた。

 投打両方をこなすことの充実感は、想像以上だった。大谷のパイオニア精神に、再び火がついた。前日18日の広島戦から一夜明け、今季中の再挑戦への意欲を問われると「まずはチームが勝つことが大事。それ(のため)に必要だったら、そういう起用もしてもらえると思う。もっともっとレベルを上げて、信頼を勝ち取れるようになりたい」と誓った。

 明日21日からはリーグ戦が再開する。今後も二刀流起用されるためには、DHを解除して出場することになるため、完投できるようでなければリリーフ投手が打順に組み込まれるデメリットが生じる。また、DHで起用されることが多いアブレイユやホフパワーら、助っ人外国人との競争にも勝たなければならず、大谷本人も「外国人選手はパワーもあるし、得点圏でも強い打撃をする。今はまだ早い」と真摯(しんし)に受け止める。だが「(自分も)そういうふうに打てれば(DHを外す)価値があると思うし、必要とされる選手になれれば」と、黙ってあきらめるつもりもなかった。

 この日は千葉・鎌ケ谷で行われた全体練習に参加。ランニングやウエートトレなど、登板翌日のメニューを消化した。気になる疲労度は「球数も少なかったですし、大丈夫です」と涼しい表情。前日は打者として出塁した直後のイニングで失点するなど反省点もあったが「一度経験できたし、(次は)もうちょっと落ち着いて入れると思う」と、再挑戦へ向けて自信ものぞかせた。

 まずは明日から始まるロッテ戦(QVCマリン)で、打者として貢献すること。チームも4連勝中と乗っており「個人的にも、チーム的にもいい流れでいける」。現在のプロ野球界で大谷にしか許されない幸せと楽しさを再び味わうため、挑戦は続いていく。【本間翼】