異例の笑顔なきMVP受賞だ。「日本生命セ・パ交流戦」の表彰選手が19日に発表され、最優秀選手(MVP)にソフトバンク長谷川勇也外野手(28)が選ばれた。交流戦歴代最高の打率4割1分8厘で優勝に貢献したことが評価された。賞金200万円が贈られる。ただ、打撃職人は自分の打撃に不満顔。明日21日楽天戦(郡山)から再開するリーグ戦で、さらに技術を高めていく決意だ。
笑顔は一瞬だけだった。賞金200万円のボードを手にし、長谷川は右手でVサイン。「200万だけに、なんか(2本指は)いやらしい感じですね」と、会場を笑わせた。賞金で昨年9月に生まれた長女にプレゼントを贈るという。笑ったのは、そのときだけだ。
印象に残った試合を問われると9日の中日戦(ナゴヤドーム)を挙げた。「前日の4安打で気持ちの隙ができてしまった。その後のヤクルト、巨人戦では思うような打撃ができなかったので、その試合が悔いが残ります」。喜びの弁かと思いきや、後悔シーンを持ち出した。受賞記念の記者会見でも、リップサービスはなし。「満足感、達成感は感じていない。4割打てたというよりもう少し(打率を)伸ばせたと思います」と悔しさいっぱいだった。
「10回振ったら10回同じ感覚でやれるスイング」。完璧な自分のスイングを追求し精進を重ねる。昨年から進歩した部分は「スイングの幅」と答えた。自分が打とうとしたポイントから球がズレても対応できるようになった。藤井打撃コーチは「今までは試合で逆方向へ打つ意識が強かったが、内角を引っ張れるようになったから率を残せるようになった」と広角に打てることを評価する。
交流戦の途中から不動の5番となった。3番内川、4番松田との和製クリーンアップは「いい意味で(3人で)競い合った」と、負けず嫌いな長谷川にとって最高の形となった。リーグ戦でも3人が機能すれば、2・5差ある首位ロッテも、すぐにつかまえられるはずだ。パ・リーグでも首位打者の長谷川。「記録を意識するのは130試合を過ぎてから。どれだけちゃんと積み重ねていけるか」。求道者らしく、安打をコツコツと積み重ねていく。【石橋隆雄】



