<阪神7-4広島>◇28日◇甲子園

 「初セーブなんでもらいました」。阪神加藤康介投手(34)が13年目でプロ初セーブを挙げた。一仕事を終え、記念のボールを受け取った。

 8回裏、一挙6点の逆転劇で、盛り上がる甲子園。虎党の拍手に包まれて、最終回のマウンドに加藤が上がった。

 「あと1人のコールが聞こえてきて緊張してきました。セーブがつく場面で1人1人アウトを取ることができてよかった」

 先頭の代打広瀬を二飛、会沢を三直に抑えた。代打梵に対して、8球中6球が直球と強気で押した。最後は真ん中高めの143キロの直球で、空振り三振。「気持ちよかった」と納得の三振だった。5月18日のソフトバンク戦(甲子園)から14試合連続無失点をマーク。23日のDeNA戦(横浜)で約1カ月ぶりの失点を許したが、この日も安定した投球を見せた。

 「久保が帰ってくるまで、みんなでやりくりして勝ちゲームを増やしていきたい」

 守護神の久保が5月29日に出場選手登録を抹消された。それ以降、加藤、安藤、福原らリリーフ陣が奮闘してきた。和田監督は「加藤に限らずマウンドに上がった選手が結果を残してくれている」と、全幅の信頼を置いている。その中でも加藤が防御率0・99と安定している。首位巨人まで2・5差。チームは十分に首位奪回が狙える位置にいる。リリーフ陣を支える加藤の投球が必要だ。【宮崎えり子】

 ◆加藤康介(かとう・こうすけ)1978年(昭53)7月2日、静岡県生まれ。清水商-日大。00年ドラフト2位でロッテ入団。2年目の02年に先発で11勝。05年にイースタン・リーグのヤクルト戦で完全試合。07年オリックス、09年横浜に移籍。10年オフに戦力外となり、11年から阪神。181センチ、86キロ。左投げ左打ち。推定年俸2600万円。

 ▼加藤がプロ初セーブを挙げ、阪神で今季セーブを記録した投手は12球団最多の5人となった(他に久保6、安藤、筒井、福原各1)。阪神の5投手以上がセーブを記録したのは06年5人(藤川17、久保田16、ウィリアムス3、ダーウィン2、吉野1)以来、7年ぶり。