ノーモア・スチール!!

 巨人菅野智之投手(23)が盗塁阻止を誓った。今日9日のヤクルト戦(山形)に向け8日、川崎市のジャイアンツ球場で調整。普段どおりのメニューだったが、キャッチボールで試行錯誤する姿があった。「自分の中で考えはあります」。腕を伸ばしたり、グラブを頭の位置まで上げたりと、対策を講じていることは明らかだった。

 前回登板の2日の阪神戦で3個の盗塁を許した。その試合の3回にデビューから96イニング目で初めて鳥谷に二盗された。「相手も探りの状況だったと思う。1つ目を阻止できていればというのもあると思う」と、立て続けに足でかき回されて、プロ最短の5回2/32失点でKO。屈辱の光景だった。

 ただ、待ち焦がれた状況でもある。かつて「研究されるということは、認められたということでもある。お互いに研究し合いながら、その中で成長できれば」と、プロとプロとの駆け引き、勝負を覚悟していた。だから、悲壮感はない。「走れると前の試合で相手が思っている。それを逆手に取って、というのもありますから」と、不敵に笑う。全てはマウンドで証明するつもりだ。「詳しく言えませんが、試合で見てもらえればと思います」。相手走者へのけん制は、試合前から始まっていた。【為田聡史】