<西武5-1オリックス>◇26日◇西武ドーム

 西武牧田和久投手(28)が5月15日のヤクルト戦以来、約2カ月ぶりの5勝目を挙げた。自身5連敗で、今月10日に出場選手登録を抹消された。3月のWBCで守護神を任されても「重圧ですか?

 いつも通りやるだけ」と言ってのけた強心臓な男が、弱音を吐くほど、もがき、苦しんだ。どん底からはい上がった心の変化に潜入した。

 登録抹消された10日、たまった感情を爆発させるように話した。「何を投げても打たれるような感じ。頑張ろうとはしてるけど、体が言うことをきかなくて。さすがに病んでます。こんな弱気じゃダメなんですけど…」。感情の起伏を表に出さなかった男の心の叫びだった。「やるしかないんです」とプラス思考に努めたが、表情は暗かった。

 原点を思い起こさせたのは、オールスターだった。練習中、ふと見た楽天田中のグラブに刻まれた言葉にハッとした。「気持ち」。「やっぱり気持ちが大事なんだと思った」と戒めた。そして、同じようにシーズン序盤苦しんだ巨人長野からは「シーズンはこれから。頑張ろうね」と背中を押された。「みんな頑張ってる。僕も負けていられない」。心の迷いは消えた。

 抹消期間中、ウエートトレーニング、走り込みなど徹底的に下半身を鍛えた。私生活では炭酸飲料を避け、お茶や水を摂取。エネルギーに変わりやすいとされるバナナを食べるなど、食生活も改善した。「自分を見つめ直せたし、いい2週間だった」。8安打を浴びながら、許した得点は1。「開き直って投げられた」とひょうひょうと振り返る姿が、本来の牧田に戻った証しだった。【久保賢吾】