<DeNA10-12中日>◇4日◇横浜

 森野二塁で守道竜逆襲の超攻撃的オプション完成だ!

 中日は、2番に入った森野将彦内野手(35)のプロ初の2試合連続2本塁打など16安打12得点で今季初の5連勝。敵地でDeNAに3タテを食らわせ3位争いからグッと抜け出した。高木守道監督は森野を二塁、左膝痛が癒え1軍復帰したルナを三塁、勢いに乗る若手の高橋周を遊撃に置く新布陣。試合前に予告?

 していた「2番最強打者説」も実証され、大興奮だった。

 2番で起用された森野が連夜の主役になった。つなぎ役の2番に入った強打者が2試合連続2本塁打の離れワザで、チームに今季初の5連勝をもたらした。

 1回、先頭の大島が安打で出塁。いつもの2番荒木なら確実に送りバントの場面だが、打席には前夜2発で自らを「一番、2番らしくないバッター」と言った森野。ベンチからのサインは何もなかった。

 「サインがないということで安心して打てた。相手が嫌がるように、しっかりとしたスイングをしようと思った」

 思い切って振り抜き、9号2ラン。DeNAにヘビー級のパンチを浴びせた。絶好調森野は5回の10号2ラン、6回には内野ゴロの間にもう1打点を稼ぎ計5打点。1試合5打点以上は、6打点を挙げた10年4月17日広島戦以来3年ぶりだった。「今年は初めから、1日終わったら忘れて切り替えると決めている。レギュラーじゃなかったから」。ルナの加入で長く守った三塁の定位置を失った。プライドはあるが、腐らず、一喜一憂せず、1日1日を新しい気持ちで過ごすと決めた。地道に歩みようやく夏場にブレークの時期がやってきた。

 森野が目覚め、イケイケ守道流の超攻撃布陣が完成した。高木監督は左膝痛のルナ復帰にともない打撃不振の荒木を外し、森野を二塁に回した。三塁はルナ、遊撃には高橋周。さらに一塁にはこの日も1発を放ち、3試合連続本塁打でここ5戦4発と量産モードのクラークもいる。

 試合前、指揮官は森野の打撃練習を見ながら「2番最強打者説もあるからね」と森野の起用をほのめかしていた。試合後の第一声は「すごいね、森野は」。そして「そら、言っただろ」とピタリ当たった2番起用を自画自賛した。今季初の5連勝がよほどうれしかったようだ。興奮したのか「よう3つ勝った。でも次は広島」と言ってしまった。明日6日からの対戦相手は広島ではなくヤクルトで、広島戦は20日までない…。ただ、これも愛嬌(あいきょう)。守備に不安はあるものの、これが逆襲の守道竜、2013年夏の勝負手だ。【八反誠】