AKB48に負けない真夏のドームツアーだ。阪神藤浪晋太郎投手(19)が得意のドーム球場で4連勝を狙う。8月に入り、2試合をドームで投げ15イニング無失点の2連勝。新人ながら8勝を稼ぐ右腕は、今後も基本的に日曜日登板を継続する方針が明らかになった。次回予定の18日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)さらに25日中日戦(ナゴヤドーム)と、2桁勝利へ。ドームツアーの主役になる。

 夏男藤浪が、ドーム球場で輝きを増す。前日11日の中日戦で自身最長の9回を投げ8勝目を挙げた藤浪が、今後も基本的に中6日で日曜日登板を続ける方針だ。8月に入ってからは、4日東京ドームで6回無失点、そして11日はナゴヤドームで9回無失点といずれもドーム球場で好投し、2連勝している右腕が、8月あと2回のドーム登板に臨むことになる。

 自身でも夏男と自負する右腕をさらに後押しする日程だ。次回は18日京セラドーム大阪でのヤクルト戦、さらに25日ナゴヤドームでの中日戦と続く予定。

 藤浪はドーム球場について「屋外より涼しいですし、投げやすいのは投げやすい。プラスには働いています」と、好意的に捉えており、今月いまだ無失点のドームで快投を継続する意気込みだ。

 132球の熱投直後も、ダメージは感じさせなかった。「去年も投げてましたし、特にしんどいとかそんな感覚はないですね」。この日は鳴尾浜の投手指名練習で、キャッチボールなど調整。肩の疲労も感じさせない軽快なスローイングを披露した。気温が上がるにつれ、状態が上がっていることも自覚している。

 「シーズンを通して、球数を投げることで完投に近づいていると思います。今シーズンに関してはかなりゆっくり調整させてもらいましたし、夏になって体が動くようになってきたのもあります」

 07年に11勝した田中(楽天)以来の高卒ルーキー2桁勝利も、あと2勝とした。阪神では67年12勝の江夏以来の快挙も、AKB48に負けないドーム公演の成功から見えてくる。

 次回登板の京セラドーム大阪では、オープン戦終盤だった3月24日オリックス戦で登板した。6回途中で6失点と打ち込まれたが、悪いイメージはない。「嫌いではないですよ」と明かす藤浪は、高2夏の大阪大会初戦で、同球場で完封勝利を演じている。夏、そしてドーム。鬼に金棒級の武器に背中を押され、ルーキーが連勝街道を猛進する。【山本大地】