<阪神1-2広島>◇13日◇京セラドーム大阪

 お盆休みって、マエケンには年がら年中、お休みじゃないか。今季6戦目の対戦も9回に阪神は伏兵坂のソロで1点を奪うのが精いっぱいで4敗目。左膝手術から3カ月ぶり1軍復帰した福留はとっておきの7回1死三塁で代打起用したが、三邪飛に倒れた。恥じ入った和田豊監督(50)のセリフじゃないけど、いつまでも負けケン状態じゃプロとして恥ずかしいで!

 祈りにも似た大歓声が沸き起こった。2点を追う7回1死三塁、「代打福留」が告げられた。左膝半月板手術から3カ月ぶりの1軍復帰をファンが後押ししてくれた。1発出れば同点という最高の場面でベンチが送り出してくれた。

 「1軍に出ているわけだから、久しぶりとかは関係ない。何も仕事をしていないのに、声援をもらって、すごくありがたかった」

 アドレナリンがブランクを吹き飛ばした。マウンドには前田健が立ちはだかっていた。虎打線に42イニングで1点しか許していない天敵に対し、初球、変化球をフルスイングした。とらえきれずファウルになったが、そのスイングにドームは期待感に包まれた。2ボール1ストライクからの4球目、変化球にタイミングが合わずに打ち上げた。三塁ファウルフライ。ぐっと唇をかみしめてベンチへと戻った。

 さらにベンチは代打の神様桧山も送り出したが、空振り三振。福留、桧山の代打攻勢という勝負手もかわされた。3安打で完投を許して敗れた。これで6試合、45イニング0/3でわずか2得点。和田監督は怒気をはらんでこう振り返った。

 「4回も5回も、同じ相手にやられて、プロとして恥ずかしいと思わないといけない。第1ストライクをいかないと。それ以降は甘いボールがこないし、1、2球目でストライクを取ってくる。打撃コーチからも指示は出ているのに徹底できていないというか」

 抜群の制球力を誇るマエケン攻略法として指示したのが、第1ストライクから打っていく“積極打法”だった。ただ、1回のチャンスを逃すと、次第に追い込まれてから打ち取られるパターンが多くなった。

 そんな中で和田監督が1つの収穫に挙げたのが福留の復帰だった。

 「久しぶりの1軍だけどスイング自体は悪くない。あっいけそうだな、というものを見せてくれた」

 福留自身もまったく同じ手ごたえを感じていた。

 「ああいう、いい投手に対して初球から振っていけた。打席で感覚を取れたというのは明日に向けての収穫。声援に応えられるように、結果を出せるように、やっていくだけです」

 101日間の空白を吹き飛ばすような初球の1スイング…。あれだけ負けない巨人も本拠地で小休止した。和田阪神も福留も、前を向いて次戦を迎える。【鈴木忠平】