<DeNA11-2巨人>◇23日◇横浜

 DeNA梶谷隆幸内野手(24)が4安打6打点と打ちまくり、巨人を粉砕した。先制の2点適時二塁打から始まり、6回に中押し8号3ラン、そして8回のダメ押しの適時内野安打。「何ですかね、これ。夏生まれ(8月)なんで夏男と呼ばれたい」と、とぼけたが、8月に入って5回目の猛打賞と、勢いが止まらない。

 昨季までの6年間で3本塁打だった男が、8月だけで8アーチ。まさに“確変”状態だが、その裏には地道なトレーニングがある。契機はプロ4年目のオフ。2軍生活が続く中で、それまで「嫌々でやっていた」という筋トレに本格的に取り組んだ。「体を変えないとプレーの質が変わらない。体を変えることにかけよう」と、元阪神の金本氏らがトレーニングを積んできた広島のトレーニングクラブ「アスリート」の門をたたいた。全身を鍛え直し、シーズン中も週3回をノルマにし、背中、胸、足の強化を続けている。

 川口チーフトレーナーは、「去年までは夏場に3キロ以上体重が落ちていたが、今年はそれがない。安定したスイングも背筋を含め、下半身が安定しているから」と話す。身長180センチの78キロと決してマッチョではないが「野球人生でかなり大事なところを占めている」(梶谷)という努力の裏付けが、今の活躍を支える。

 中畑監督は「今は形を崩されず、自分のスイングが出来ている。絶好調というのは、あいつのための言葉じゃない?

 あげたいよ」と大絶賛する活躍。それでも梶谷は「まだまだここからが勝負です」。気を緩めることなく、打線をけん引していく。【佐竹実】