バットをマイクに持ち替えて、規格外ルーキーが「DJポリス」になる!?

 日本ハム大谷翔平投手(19)が栗山監督らチームメートとともに、パトカーから交通安全を呼び掛ける「注意喚起アナウンス」に登場することが26日、分かった。北海道警察の交通安全運動の一環としての企画。録音音声をスピーカーから流すシステムで上から訴えることはないが、早ければ来月にも大谷の肉声が路上に響くことになる。

 北海道の安全を「二刀流」ルーキーが守る。走行中のパトカーから交通安全を呼び掛けるアナウンスに、栗山監督や陽岱鋼ら数人とともに、新人の大谷も登場することになった。本人にとって、地域社会貢献活動に参加するのは入団以来初めてとなる。

 道内の交通事故死者数は多く、昨年も愛知県に次いでワースト2位。北海道警察は、注意を呼び掛けるためにパトカーのスピーカーから音声を流す試みを実施するが、そのアナウンス役に大谷も抜てきされた。注意喚起の言葉を吹き込んで録音し、それが道内全域を走るパトカーで使用されることになる。

 パトカーから注意を呼び掛けるといえばサッカーW杯出場を決めた6月の日本代表対オーストラリアの一戦後、大混雑となったJR渋谷駅前のスクランブル交差点を“マイクパフォーマンス”で静めた警視庁機動隊員の「DJポリス」が話題になったばかりだ。

 大谷をはじめ、監督や選手が実際にパトカーに乗車してマイクを握ることはないが「こんな良き日に怒りたくはありません。私たちはチームメートです」「皆さんは12番目の選手。日本代表のようなチームワークでゆっくり進んでください」などの名言を残した本家同様、アナウンスはユーモアに富んだものになりそう。160キロ右腕らしく「スピードは野球では魅力でも、安全運転には必要ありません」「そのスピードは1歩間違うと危険球。しっかりとコントロールしましょう」など、オリジナリティーあふれるメッセージが聞かれるという。

 今日27日からの西武3連戦(札幌ドーム)へ向け、この日は静養にあてた大谷。グラウンド上では暴れ回り、5連勝中のチームをさらに加速させる。

 ◆DJポリス

 サッカー日本代表がW杯出場を決めた今年6月4日のアジア最終予選のオーストラリア戦後、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点で雑踏警備をしていた警察官につけられた愛称。警視庁警備部第9機動隊広報係に所属する20代男性隊員で、熱狂する群衆を言葉巧みに誘導したことで一躍有名となった。その後は警視総監賞が贈られ、7月には東京・葛飾区の花火大会の警備にあたり、渋谷以来のマイクパフォーマンスで話題を呼んだ。

 ◆北海道の年間交通事故死者数

 1975~85年まで11年連続、92~04年まで13年連続で全国ワースト1位。05年からも毎年200人以上の死者が発生し、10年には再びワースト1位となった。11年は190人で同6位、昨年は200人で同2位。今年は25日現在、96人の同8位で、愛知の139人が最も多い。