来季の西武1軍監督就任が決定的な伊原春樹氏(64)が15日、都内で取材に応じた。「(新聞などで)候補に挙げてもらっているのは光栄です」と語った。02年から西武で2年間監督を務め、リーグ優勝、2位と好成績をマーク。かつて、西武の黄金時代を築いたころはコーチとして、常勝論をたたき込んだ同氏は「ライオンズは強くなければいけないと思う。そして、強くなってほしいという思いもある」と話した。

 正式な就任発表はまだ先とみられるが、球団側は組閣の準備に入った。この日、安部打撃コーチの退団を発表。光山作戦兼バッテリーコーチも退団が決まった。打撃コーチもしくは、ヘッドコーチ格として、現役時代に西武の主力選手の1人だったNTT西日本の佐々木誠監督(48)を招聘(しょうへい)する案が浮上。現役監督で、就任にはクリアすべき問題もあるが、豊富な経験と実績に白羽の矢が立った。

 この日、鈴木球団本部長は、次期監督について、両リーグのCSファイナルステージ終了まで発表を控える方針を表明したが、23日に西武ドームで秋季練習がスタートする予定で、新体制で臨むことが求められる。理想の監督像について「球団のカラーというのがあるので、そこは大事にしたいです」と話した。既に、球団側は指導者としての実績を高く評価する伊原氏に一本化。組閣などの詳細を詰め、CSファイナルステージ終了後に伊原西武が誕生する。

 ◆佐々木誠(ささき・まこと)1965年(昭40)10月3日生まれ、岡山県出身。水島工から83年ドラフト6位で南海入団。93年オフに秋山らと3対3のトレードで西武移籍。98年オフに阪神に移籍し、00年退団。01年米独立リーグでプレーし引退。03年はダイエー、04、05年はオリックスでコーチ。06~10年社会人野球のセガサミーでコーチ、監督に就任し、11年からNTT西日本でコーチ、監督。92年首位打者。最多安打、盗塁王2度。外野手でベストナイン6度、ゴールデングラブ賞4度。左投げ左打ち。