4年目で66試合登板とフル回転した中日岡田俊哉投手(21)が来季から先発に転向することになった。森繁和ヘッドコーチ(58)が10月31日、ナゴヤ球場で練習を視察し「先発の練習をやらせる。本人にも言っている。ダメなら戻せばいい」と明かした。今日1日からスタートする秋季キャンプで本格的に取り組む。

 09年のドラフト1位で入団した左腕。昨季まで1軍未登板だったが、今季は7勝5敗2セーブ、防御率2・79とブレークした。主に中継ぎだったが、3度の先発やロングリリーフを経験するなどスタミナも実証。目利きの森ヘッドには先発の適性アリと映ったようだ。

 左の先発は竜投のウイークポイントだった。エース吉見がシーズン序盤に離脱するなどけが人が相次ぎ、チーム防御率はリーグ4位の3・81。先発左腕は、3年目大野の孤軍奮闘が目立ったくらいだ。10月28日に配置転換の方針を伝えられた岡田は「新しいことを挑戦するので(先発としては)一番下。少しでも追いつけるように、めいっぱいやりたい」と謙虚に意気込みを語った。

 6日から新外国人獲得に向けてドミニカ共和国に出発する森ヘッドは「左の先発」をターゲットに挙げている。さらに左の岡田を先発候補にカウント。前任時に投手王国を作り上げた森ヘッドが緻密な計算を重ねている。【桝井聡】

 ◆来季の中日先発争い

 右肘を手術したエース吉見は開幕に間に合わないが、今季2桁勝利の大野を中心に多彩な顔ぶれで競うことになる。48歳山本昌、今季6勝で残留が決まったカブレラ、一度解雇されながら再契約が決まった川上、右肘手術で今季2勝の山内、ノーヒッター山井。FA権を取得した中田賢の去就は未定だが、森ヘッドが獲得を目指す新外国人、さらに伊藤や雄太、岩田、西川らが控える枠に岡田が割って入る。