俺が4番や!

 阪神新井貴浩内野手(36)が9日、来季の4番奪回を宣言した。近年は慢性的な右肩痛に悩まされてきたが、11月上旬に福岡県内の病院でメディカルチェックを受け、主治医から「完治した」とうれしい診断が下った。すでに打撃練習も開始。入団が秒読みな米大リーグ・ナショナルズのマウロ・ゴメス内野手(29)と一塁の定位置がかぶるが、無関心を装い、2年ぶりの4番返り咲きを目指す。

 来季を37歳で迎える新井は野望たっぷりだ。「小バース」こと森田の弾道に沸く安芸の熱気にも、新外国人として有力なゴメス入団の期待にも負けない。主砲には座るべき定位置がある。05年に43本塁打でタイトル奪取したスラッガーは誇りを込めて言い切った。

 「去年もこの時期(外国人コンラッド加入で)同じような感じだった。肩さえ治ればライバルはいない。去年と同じかな。自分はそういうことを考えてやっていない。もう1回、4番を打ちたいと思っている」

 今年は主に5、6番を打ち、4番は12年8月8日巨人戦(東京ドーム)を最後に遠ざかっている。2年ぶりの主軸復帰こそ今オフ最大のテーマだ。長らく苦しんだ右肩痛が快癒したのも後押しになる。11月上旬に福岡県内の病院でメディカルチェック。肩関節の可動域、筋周囲の測定…。主治医の発した診断が何よりの自信に変わる。「完治です」。肩のインナーマッスルが収縮する厚みを測ると昨年同時期よりも4・5ミリ分厚い14・5ミリだったという。昨オフ、満足に右肩を上げられなかった状況とは雲泥の差だ。いまは制限せず、練習に取り組める。

 「インナーマッスルは小さな筋肉だから、コツコツやらないといけない。『4・5ミリはすごい』って。金本さんが読んだら『何を!』となるね(笑い)。去年は肩をどうにかしないといけなかった。暗中模索でね。今年は自分のやりたいことをできている。ウエート、打つこともやっている」

 この時期には異例の早さで素振りやティー打撃を開始。打撃フォームを見直すのも、すべては4番を奪い返すためだ。

 掛布DCは4番像について「来年は外国人に頼るしかない。1、2年後には日本人の4番打者が出てきてほしい」と言う。新助っ人ゴメスの入団、若手の台頭…。いや、忘れてはいけない。阪神には新井がいる。ミスタータイガースを振り向かせる弾道を見せれば猛虎復活は近づく。【酒井俊作】