竜の新リーダーはエイトマンだ。中日大島洋平外野手(28)がチームの選手会長に就任することが18日、分かった。29日の選手会納会で正式に決定する。今季は左肘痛の影響から満足な成績を残せなかったが、野球に対する姿勢などが評価され、白羽の矢が立った。10月に受けた左肘手術の経過も順調で、12月上旬にはキャッチボールを開始する予定。背番号8が竜に新しい風を起こす。

 本格的に打診を受けたのはシーズン終了間際だった。10月上旬。現会長の吉見から来季から会長職を任せたいと持ちかけられた。

 大島

 初めはできないですよって言ってましたけど…。

 頭に浮かんだのは今季の成績だ。140試合に出場して、打率2割4分8厘、27打点、3本塁打。盗塁は19個だった。チームで4人しかいない規定打席にも到達したが、3割&30盗塁をクリアした前年に比べると物足りない数字。春先のWBC落選から始まり持病の左肘痛がシーズンを通じて影響した。

 歴代の選手会長は立浪氏ら生え抜きのスター選手がズラリと並ぶ。悩んだ大島の背中を押したのは落合GMの言葉だ。「GMからは『お前たちがやらないといけない世代だぞ』と言われました」。契約更改交渉で「お前は球団の宝」という最高の言葉とともに、チームを引っ張れというゲキを飛ばされていた。大島のリーダー像はシンプルだ。

 大島

 チーム全体を引っ張っていけるようにまずは野球で結果を出さないと。やりがいはある。

 誰よりも結果を求められるのがリーダーであり、今は結果を残すための準備期間だ。10月12日に受けた左肘クリーニング手術の経過は順調のようで、今はリハビリ期間を利用し、関節の可動域を広げるトレーニングを続けている。

 大島

 自分でも硬いと思っていたんです。まずケガをしないこと。それに走ること1つを取っても1歩の伸び幅が変わる。手術したことで重点的にできる。

 12月上旬にはキャッチボールとティー打撃を開始する。寒いナゴヤ球場で地道に歩みを進める。すべては歓喜の美酒に酔うため。その中心には若きリーダー大島がいるはずだ。