“負けない投手”との対決で得た財産を、しっかりと未来へつなげる。日本ハム大谷翔平投手(19)が25日、自主トレ中の千葉・鎌ケ谷で、来季メジャー挑戦が決まった楽天田中について「向こうで活躍しているところを、1人のファンとして見てみたい」と期待に目を輝かせた。
今季8戦全敗とチームにとっては最下位の元凶と言っていいマー君だが、大谷にとっては生きた教材。地元である東北の球団のエースで、憧れていた部分もある。「直接対決したビデオを見て、振り返っていきたい。配球とか投手目線で見ると思います」。11打数で無安打6三振と封じられた「打者大谷」より、「投手大谷」の手本として目がいくという。貴重な経験を、1秒たりとも無駄にするつもりはない。
特に心に残るのが、9月6日にKスタ宮城で実現した唯一の投げ合いだ。チームは4回までに2点をリードしたが、逆転負け。「先制されても堂々と投げていた。焦るところもなく、嫌な雰囲気がありました。勝つためにはワンチャンスしかないと、投手にも打者にもプレッシャーがかかった」と、日本最強右腕のオーラに圧倒された。「田中さんが投げている試合での、楽天打線の集中力もすごかった」。技術だけでなく、背中で引っ張るエースの姿に、目指すべき自分の未来像が明確になった試合だった。
「僕は、まだまだ、それだけの投手ではない。1試合1試合、一生懸命投げて、平均して勝ち星を挙げられるようになってから」。負けないエースになるために、ギネス級右腕の教えをしっかりと胸に刻む。【中島宙恵】



