こりゃ頼もしい。呉昇桓に最強の相棒が加わった。阪神に新加入した呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国サムスン)の通訳として江口優一氏(22)が新入団する。27日の球団納めで、来年1月1日付の人事異動として発表された。江口通訳は今季まで2年間、サムスンで通訳を務めており、新守護神との相性はバッチリ。呉昇桓の新居から徒歩圏内の場所に住み、新生活まで支える構えだ。

 異国で挑戦する呉昇桓に衣食住の不安はない。強力なパートナーが韓国のスーパースターを支える。この日発表された人事異動で、新入団する江口氏が通訳として呉昇桓に付き添う。ただのニューフェースではない。11年11月から2年間、古巣サムスンの通訳も務めており、すでに気心の知れた頼もしい存在なのだ。

 西宮市内の球団事務所を訪れた江口通訳は「呉昇桓選手に付いて一生懸命やることになります。サムスンでも、よく話していた。やりやすいと思います」と話した。中学生まで日本で過ごした後に韓国に渡った。大邱市内の高校に通い、済州の大学生だった11年からサムスンに入団。芹沢裕二バッテリーコーチの専属通訳として呉昇桓の野球観に触れる機会も多かった。

 韓国球界最多の277セーブをマークした守護神も日本での生活は初めて。江口通訳は大阪府内に構える呉昇桓の新居から徒歩圏内の場所に住むという。「寝るとき以外は一緒に行動することになります」と説明し、生活面も手厚くサポートする。独身の呉昇桓にとって、心強い仲間なのだ。

 江口通訳自身も小学生のころは阪神戦をチェック。高校、大学では内野手としてプレーした本格派だ。野球人の気質を熟知し、投手コーチの技術面でのアドバイスでも的確な意思疎通が可能だ。呉昇桓はグアムで自主トレ中。異国での挑戦に備え、地道に力を蓄えている。韓国球界から球団史上初めて獲得した助っ人を温かく支える新通訳。球団のサポート態勢に抜かりはない。【酒井俊作】