日本ハム大谷翔平投手(19)が、“捨て身”のサプライズファンサービスを敢行した。28日、母校・花巻東の先輩、西武菊池とともに、花巻市内で「ふるさと復興応援イベント」に参加した。サイン入りグッズの抽選会では、用意したグッズがなくなると、着ていたユニホームをステージ上で脱いでプレゼントする、前代未聞のファンサービスで盛大な拍手を受けた。

 小学生が、女性ファンが、約3000人が見守る前で、大谷の指がボタンにかかった。ごくり…。生唾を飲み込む観覧者たち。一番上のボタンを1つ外すと、頭の側から勢いよく、脱いだ。チラリとのぞく割れた腹筋。着用していたユニホームをその場で脱いでプレゼントするサプライズに、当選した少年は目を輝かせた。

 大谷

 (迷いは)なかったです。喜んでくれたので、よかったかなと思います。

 前代未聞のファンサービスに、球団関係者は「大丈夫かな…」と冷や汗も、対照的に会場は沸いた。

 母校の先輩である西武菊池の発案だった。グラブやバットなど、抽選会に用意した品々がなくなると、2人がヒソヒソ話を始めた。「あと2つ出します!

 今、決めました」。菊池が高らかに宣言。2人が着用していたユニホームをその場で手渡すという、激レアプレゼントとなった。

 ファンへ向けたサービス精神の表れだった。この日のイベント自体も、地元の復興支援のほか、野球をする少年少女たちのひじの検診も実施した。菊池も大谷も、ボランティアで参加。抽選会だけではなく、打撃指導やトークショーも行った大谷は「僕自身が楽しかったですし、やれてすごくよかった。毎年、こういう機会があればいいなと思います」と、恒例にするつもり。さらに「まだそんなに稼いでないけど、余裕が出てきたらやりたい」と、チャリティー活動などにも興味を示した。

 来季目標を聞かれたステージ上では「まず優勝。個人的には、シーズンの最初から(投打の)どっちも活躍を見せられれば」と、今季はできなかった開幕からの「二刀流」を誓った。セクシー(?)な一面を披露し、大谷のルーキーイヤーがこの日、終わった。【本間翼】