阪神新井貴浩内野手(36)が異例のキャンプ前アーチ予告だ。1月中に鳴尾浜で屋外フリー打撃を行う計画を立てている事が17日、わかった。その意図は「振らなくても飛ぶ」ようになった打球の質を確認するためだと明かした。

 新井の言葉は確信に満ちていた。今オフ、従来より約2センチも長い新バットを導入し、05年に43本で本塁打王を獲得した時のフォームをビデオで研究し直した。その結果、打球が明らかに変わったと実感する。現在は室内打撃練習しか行っていないため、屋外で打って確かめるという。

 「1回打てればいいかな。思ったような打球、思った以上の打球がいくのかなと。感覚的なことしか言えないけど、下半身にキレが出ている。意識しなくても飛んでいくんじゃないかな」

 キャンプ前に屋外で打撃練習をするのは初めてのこと。本人の感触が確かならば、1月の鳴尾浜に季節外れの特大アーチが打ち上げられる。しかも、力いっぱいのスイングでなくてもボールは飛んでいくはずだという。新主砲ゴメスと4番を争う新井の、強烈なデモンストレーションになるだろう。

 「体調はいいね。去年は肩のリハビリをやっていたから。今はたくさん投げて、たくさん打って、ウエートメーンじゃなくて、動ける中で強化をしてきた」

 昨年と体調は比べるべくもない。阪神移籍後は20本塁打に届いていないが、今季は30本塁打をノルマに掲げている。ホームラン王復権へ。寒風吹きすさぶ鳴尾浜に景気づけの特大弾を打ち上げてから、2014年の戦場へと赴く。【鈴木忠平】