ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が30日、春季キャンプ地の沖縄にチーム便で入った。那覇空港ではファンと報道陣が殺到する大パニック。昨季、プロ野球新記録の60本塁打を放った上に、オフの逮捕騒動でさらに注目度が上がった。

 バレンティンの沖縄入りは、ちょっとした“大騒動”だった。羽田空港の搭乗口に到着すると、同便で修学旅行に出かける高校生が殺到。「アイラブユー!」と熱狂する女子高生らに、あっという間に占拠された。サインや写真撮影に応じ始めると延べ100人に囲まれ、空港の警備員の誘導でラウンジに避難した。

 フィーバーぶりは、那覇空港でも同じだった。今度はバレンティンが「カメラ、スゴイネ~」と驚くほど多くの報道陣も到着を待ち受けていた。他の選手らにぶつかりながらも追いかけられ、もみくちゃにされながらバスに乗り込んだ。

 一連の騒動が狂騒曲ぶりに拍車をかけている。日本プロ野球新記録の60本塁打を放った翌年で、注目度は高かった。加えて米マイアミでカルラ夫人への暴行・監禁容疑で逮捕されたことで、皮肉にも野球ファン以外の人たちにも広く知られることになってしまった。

 このフィーバーの理由を、本人も「これまでで一番すごい。仕方ないね…」とし、報道陣にも「皆さんも仕事があるから理解している」と気遣いを見せた。1つの信念が、そう言わせている。「自分も野球選手としてやるべきことがある」。謝罪会見でけじめはつけた。あとは結果を残し、昨年のような「本塁打フィーバー」に変えるつもりでいる。