<オープン戦:中日1-2オリックス>◇22日◇北谷

 あるぞ1番ルナ!

 中日谷繁元信兼任監督(43)が、いきなり斬新プランを実践した。オープン戦開幕のオリックス戦。昨季4番も務めたルナを1番に抜てきした。左膝故障から復帰し、キャンプ絶好調の2年目助っ人の1番適性に指揮官も手応え十分。逆転負けを喫したが、V奪回への秘策となる収穫も得た。

 「1番サード、ルナ」-。初めて聞くアナウンスに球場がどよめいた。谷繁兼任監督がオープン戦初采配でサプライズを実行。驚きの周囲を横目に不敵な笑みだ。

 谷繁監督

 どういう打順、どういう組み合わせが1番機能するのか、いろいろ見ていきたいのでね。頭にないことはやりませんよ。

 昨季リーグ最少の526得点に沈んだ貧打線解消へ、誰を1番に置くかはV奪回へのポイントになる。だが左肘手術から再起を期す大島が2軍調整中の現在、決定的な選手はいない。そこで目を付けたのが、昨季左膝の故障で途中離脱するまで打率3割5分で首位打者を走ったヒットマンだった。

 ルナは今キャンプで絶好調。そしてこの日「生まれて初めての1番」も事もなげにこなした。初回、松葉の真っすぐを中前にはじき返すと、3回の第2打席は見極めて四球。第3打席の右飛で7打席ぶりにアウトになったが、シート打撃を含めた14年の実戦形式は、3本塁打を含む13打数10安打で打率7割6分9厘。これだけでもスゴいが、出塁率は7割8分6厘になる。

 ルナ

 ほとんどが3、4番。でも1番でも驚きはない。何番でも打ち方は変えないし、僕は1番から9番まで監督に任された打順で積極的に打つだけだよ。

 この日は14年初の三塁守備もこなした。2年目の今季はフルスイングに切り替えて実戦3発。「日本の投手に慣れたから本塁打も増える」と2桁弾も予告する。1発もある切り込み隊長は敵の脅威になりそうだ。

 谷繁監督

 (打順は)なるべく早く決めたい。でも開幕ギリギリまで(テストを)するかもしれません。

 4番も平田かルナかゴメスかと、同時進行でテスト。だが1番ルナのオプションには、指揮官も手応えを感じたはずだ。【松井清員】

 ◆中日の1番打者候補

 最有力は昨季チームトップの109試合(先発)で1番を務めた大島。ただ、現在は2軍調整中でキャンプでは1度、1軍昇格を見送られている。19年目荒木も1番復帰に意欲。オフには巨人井端から「足を生かすため1番打者になれ」とハッパをかけられた。昨季26試合に出場した藤井も候補。大穴は新外国人エルナンデス。高橋周から遊撃のポジションを奪えば、可能性はある。