世界遺産パワーで結果を残す。楽天ケビン・ユーキリス内野手(35=ヤンキース)が14日静岡・草薙球場で練習を行い、「マウント・フジまで本塁打を飛ばす」と意気込んだ。同球場から富士山は三塁側後方に位置。富士山を狙うと打球は必ずファウルになってしまうが、そんなジョークが飛び出すほどフリー打撃で鋭い打球を連発した。

 オープン戦はここまで22打数4安打で打率1割8分2厘。4日のロッテ戦以来5試合無安打が続く。それでも「シーズンは長い。それに向け準備をしている」と意に介さない。まずは日本文化に溶け込もうと努力しているからだ。人の前を通るときは「スイマセン」と声をかけ、練習の確認では「ハイ!」と返事をする。それでも開幕まで2週間となりギアが入った。

 全体練習が終わった後も、30分ほどケージにこもり、感触を確かめた。田代打撃コーチも「打球が低めにすーっといい回転で行く。開幕まであと2週間。上げていくよ」と期待を寄せる。練習後は「打ちたかったからね。コンディションは悪くない」と納得の表情。来日後初の本塁打が出れば、シーズンを照らす御来光となりそうだ。【島根純】