キヨシ、今年は徳川家康になります-。DeNA中畑清監督(60)が27日、神宮での練習に参加し、「我慢」をテーマに今季を戦う考えを明かした。一昨年は自信の豊臣秀吉、昨年は非情の織田信長スタイルで開幕に臨んだが、東京…江戸で開幕を迎える今年は家康流を思い描いている。

 “鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス”

 まず、先発陣は打たれても簡単に代えない。「5、6点(取られる)までは我慢したい」。中継ぎ陣への負担も考慮してだが、最大の理由は2本柱の三嶋、井納への期待だ。「ハマのエース」へ成長してほしいからこそ、打たれても我慢して、長いイニングを投げさせる。

 打線は144試合固定を理想に掲げる。特に3番梶谷、4番ブランコ、5番筒香の中軸は不動とする。「3番、5番が機能すればチームは必ず強くなる。チームの運命を分けるくらいのところまできた」。梶谷、筒香が成長し、外国人選手の他は、生え抜きメンバーで組めた。3年目にしてようやく組めた理想のオーダーだけに、今季は彼らを信じて…彼らが“鳴く”まで待つ覚悟だ。

 開幕戦の戦い方にも我慢がある。「しっかり送ってクリーンアップに回す。基本はイケイケドンドンだけど、送ることだって簡単じゃない」。理想とする強攻策へのこだわりも我慢して、目前の勝負に徹する。

 家康流は自信の表れでもある。シートノックに視線を送る中畑監督は、腕を組み何度も何度もうなずいていた。「全体的に良い準備ができて、開幕に入れる。1、2年目になかった『ヨシ』という気持ちが今年はある」。中畑監督の契約は今季で切れる。CS出場を果たし、265年間続いた江戸時代にちなんだ長期政権になれば最高だが…。【細江純平】<過去2年の中畑監督開幕前日>

 ◆12年豊臣秀吉

 大阪城が見える宿舎の自室で「天下統一」と書かれた扇子を手に「苦労して、苦労して、最後にいい結果になってくれればいいね」。足軽から天下統一を果たした秀吉と最下位から優勝を狙うチームを重ねた。オープン戦は3位と好調だった。

 ◆13年織田信長

 「今年は結果の出ない選手は使わない。選手も肝に銘じてほしい」と非情采配を宣言。本来は明朗快活な性格だが、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」と性格を例えられる信長のように勝負に徹する姿勢を打ち出す。