ヤクルト増渕竜義投手(25)と日本ハム今浪隆博内野手(29)の交換トレードが成立したことが30日、分かった。すでに両球団の間では合意に達しており、早ければ今日31日にも正式発表される見込みだ。

 昨季最下位に終わった両球団が、今季の巻き返しに向けて緊急補強に動いた。ヤクルトは開幕戦でプロ初打席の初球に初本塁打を放ったルーキー西浦の台頭はあったが、川島が故障中と遊撃手は手薄な状態。一方、日本ハムは中継ぎで期待していた変則右腕の藤岡と2年目の河野の調子が上がらず、現在は2軍。長いシーズンを見据え補強を検討していた双方の思惑が一致し、開幕直後という異例のトレード合意に至った模様だ。

 増渕は06年の高校生ドラフト1巡目でヤクルトに入団。186センチの長身からスリークオーター気味の投球フォームで力のある球を投げ込み、先発、中継ぎで潜在能力の高さを見せた。だが近年は伸び悩みもあって登板機会も少なくなり、昨季の登板は5試合だけだった。

 今浪は06年大学・社会人位ドラフト7巡目で日本ハムに入団。走攻守にバランスが取れた好選手で、守備は内野ならユーティリティーにこなせる万能型で、打撃センスにもたけた左の巧打者。昨季は91試合に出場したが、今季は若手の成長もあって内野陣に一定のメドがつき、開幕を2軍で迎えていた。