<広島2-8阪神>◇15日◇マツダスタジアム

 大瀬良初星で単独首位を守る!

 広島が本拠地マツダスタジアムで、2位阪神との首位攻防3連戦の初戦に完敗した。先発野村祐輔投手(24)が生命線の制球を乱し、5回5失点で今季初黒星(2勝)を喫した。阪神にゲーム差なしまで迫られ、今日16日の2戦目はドラフト1位大瀬良大地投手(22=九州共立大)がプロ初星をかけて先発する。やられたら、やり返す!

 虎党の大歓声が、一塁ベンチ裏通路にまで響いてくる。首位攻防3連戦の初戦は完敗だ。指揮官は試合後も冷静な表情を崩さず、闘志の重要性を強調した。

 野村監督

 祐輔(野村)はもうちょっと向かっていってほしかったね。ただ、これまで投手陣は頑張ってくれている。今日は誰のせいでもない。

 今季初登板から2戦2勝だった先発野村が、誤算だった。強力阪神打線を意識し過ぎたのか、ボール先行の投球が続いた。5回で実に129球を要し、7安打5失点で降板。プロワーストの5四球。今季初黒星を喫し「自分で自分を苦しめてしまった」と肩を落とした。それでも指揮官は先発右腕だけに責任を背負わせようとはしなかった。

 開幕から14試合を終え、単独首位に立つ。投手陣全体の踏ん張りによる部分は大きい。一方で打線は14試合でリーグワーストの47得点。16試合で101得点を記録している阪神と比べれば、苦しい現状が浮き彫りになる。

 「(好調の)菊池とエルドレッド以外は…。もうちょっと打たないとね。状態がいい人より、悪い人の割合が大きい。力を発揮できていない選手が多いから、辛抱しないといけない」。指揮官の言葉にも苦悩がにじみ出る。

 前日14日は石原、梵、キラの主軸3人を指名練習に参加させ、復調のきっかけを探した。キラは5番で2戦ぶりに先発復帰し、6回2死三塁では藤浪の内角151キロを右前適時打に変えた。4番エルドレッドは2回に豪快な先制4号ソロを左中間席に突き刺した。明るい兆しはある。

 2位阪神にゲーム差なしまで迫られた。今日16日はルーキー大瀬良がプロ初星をかけ、先発マウンドに上がる。「明日は大瀬良が(デビュー)3戦目。なんとか勝ちをつけられるように、打って援護してほしい」。指揮官は打線の底力を信じている。【佐井陽介】