<広島3-1阪神>◇16日◇マツダスタジアム

 阪神の新助っ人マウロ・ゴメス内野手(29)は、開幕からずっと塁上に姿を見せている。6回無死一塁。大瀬良が投げた初球を、ためらうことなく振りに行った。外角低め直球をとらえると、わずかに詰まらされながらも中前に達した。中堅丸のファンブルを誘い、一塁走者鳥谷が生還。コイのルーキーに一矢報いた。沈着冷静なドミニカンが開幕からの連続試合出塁を「17」に延ばした瞬間だった。

 ゴメスは言う。「早いカウントで甘めの球があれば、積極的にいこうと思っていたよ。形として安打になったけど、全体的にコースに投げていたね」。17戦連続出塁は89年以降、阪神の助っ人ではトップの89年フィルダーの21試合、2位の91年オマリーの19試合に続く好記録だ。早くも優良助っ人の仲間入りの気配も漂う。

 ブルンブルンとバットを強振し、この日も2度、外角低めスライダーに空振り三振した。リーグ最多21三振したが、4回には追い込まれてから5度ファウルで粘るなど、必死に食らいつく姿勢を見せる。大瀬良について「いいコースにね、今日は外角に決まっていた」と評する。試行錯誤を実らせ、理想の打撃に近づきたいところだ。【酒井俊作】