<楽天2-5ソフトバンク>◇2日◇コボスタ宮城

 推定飛距離120メートルの特大弾がファンのおでこに直撃した。楽天アンドリュー・ジョーンズ外野手(37)がソフトバンク戦の6回2死走者なしから、反撃のソロ本塁打。1度はフェンス直撃の二塁打と判定されたが、ビデオ判定の末に覆された。チームは苦手ソフトバンク摂津を攻略できず敗れたが、2戦3発と勢いに乗る主砲が今日こそ勝利をもたらす。

 驚きの一発だった。2点差を追う6回2死、走者なし。ジョーンズはソフトバンク摂津の外角真ん中130キロのスライダーを見逃さなかった。力強い打球はあっという間に左中間の一番深いスタンドに飛び込んだ、はずだった。だが打球はスタンドで観戦していたファンのおでこに直撃。ボールはグラウンドに戻り、1度は二塁打と判定された。

 しかし、ファンの声が判定を変えた。「自分では分からなかったけど、ファンのみんなが声を出してアピールしてくれた。それに気がついて監督に(ビデオ判定を)アピールしてくれとジェスチャーしたんだ」。二塁塁上から大きな身ぶりでベンチにサインを送る。気がついた星野監督はすぐに球審に抗議。ビデオ判定の結果本塁打に変更された。「この数試合(甘い球を)見逃さず打てている。ホームベース上の球をしっかりととらえられている」とホッと胸をなで下ろした。

 安心したのはジョーンズだけではない。おでこに打球が直撃した会社員の小野剛志さん(45)も笑みを浮かべた。フェンス最上段に打球が当たり、軌道が変化。よけるヒマもなく直撃した。ホームランボールの代わりに渡された氷嚢(ひょうのう)を、真っ赤になった額に当てながら「当たった瞬間は目の前が真っ暗になりました。痛みでしばらく立てなかった。メジャー級の痛さでしたけど、とにかく判定が変わってホッとした」と話した。主砲の熱烈なファンのため、自分の責任で二塁打となったらと気が気ではなかった。しかし本塁打となり、ひとしきり喜んだ後に「あのボールどうにかならないですか…」と悔しがった。

 これでジョーンズは2戦3発。田代打撃コーチは「見極め方も良くなって、確実に調子は上がっている」と期待を寄せる。惜しくもチームは敗れ空砲となったが、ファンも巻き込んだ主砲の一発が勢いをつけたのは間違いない。【島根純】