<楽天6-5ソフトバンク>◇3日◇コボスタ宮城
長いトンネルをようやく抜けた。楽天塩見貴洋投手(25)がソフトバンク戦に先発し、6回7安打1失点で2勝目を挙げた。開幕2戦目に631日ぶりの勝利をつかんで以降、5回を持たずにKOされることが多かったがこの日は一変。走者を毎回のように許したが、左打者の内角を強気に攻め最少失点で切り抜けた。負ければ2軍落ちが濃厚という状況で、気迫の投球を見せて勝利に導いた。
塩見の1カ月ぶりにつかんだ勝利の感想は、喜びよりもホッとした思いが上回っていた。「チャンスをこれだけもらっていて、それに応えられて良かった。今回ダメだったら2軍に落ちるという覚悟は決めていた」。背水の登板という強い思いが、ここぞでの粘りを生んだ。
2-1で迎えた3回2死一、三塁。打席には打率3割8分を超えるソフトバンク長谷川。長打が出れば逆転される場面で、立ち向かった。4球連続で直球勝負。全て内角をえぐった。最後も137キロ内角高めに直球を投じ、空振り三振を奪った。「左打者のインコースへきっちり放れた。長谷川さんに5球続けてインサイドに投げられたのは収穫です」とかみしめるように話した。6回まで先頭打者を4度出すなど、毎回のように走者を背負った。これまでは制球が乱れ、大量失点につながっていたが、この日は踏みとどまった。
4月26日のオリックス戦でKOされてから調整法を変えた。先発では3試合連続で5回を投げきることができず「モヤモヤしていた。なんで勝てないんだろう」と悩んだ。ノックを受けサードからのスローイングを行い、下半身の使い方を確認。これまで登板2日前にブルペン入りしていたのを、「試合後の方が、感じがいいというのが2週間続いたので」と前日入りに変えた。その効果が出た。直球にはキレが戻り、決め球のフォークとスライダーの制球が戻ってきた。
星野監督は「勝ちがついたというのは、まぁ良かった。今日は打たれても5回まで投げさせてやろうと思っていた。でもまだベンチの信頼は得られない」と親心をのぞかせつつも、調子の安定を求めた。塩見は「まだまだです。これをきっかけにどんどん勝っていきたい」と喜びに浸る間もなく、気を引き締めた。【島根純】



