<ソフトバンク3-2日本ハム>◇5日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク森福允彦投手(27)が欲したマウンドだった。大場が同点とされた5回、なおも2死満塁で救援。「後ろの3人が安定している中、1軍で日の当たる場所はああいうところ」。失敗の許されないタフな場面。西川を2球で追い込んで1球外し、4球目。ベースの角をなめる直球で見逃し三振に切った。左打者にとって最も遠いコース。すべて外角の出し入れだけでピンチをしのぎ、続く6回の1死二塁も連続三振。直後に決勝点が生まれ、今季初勝利がついた。

 お立ち台では「自分らしく、強気でヒーローになるんだと思って、投げ込みました。こどもの日なので」と、格好よく言った。今季の森福は「勝利の方程式」から漏れている。7回以降に岡島-五十嵐-サファテの形が築かれ、働き場所は勝ち負け両方の展開、イニング途中など、ばらばら。「気持ちの持っていき方が難しい」のが本音。だからシビアな場面を待っていた。

 11年の日本シリーズ第4戦で6回無死満塁をしのいだ「森福の11球」に代表されるように「満塁つぶし」なら自信あり。今年も2度しのぎ、通算で47打数7安打と強さをみせる。7回を3人で片付けた柳瀬とともに「勝利の方程式」の手前を支える。縁の下の力持ちコンビが1点差勝ちをたぐり寄せ、秋山監督も「中継ぎがいい仕事をした。自信をつけ、それが勝ちにつながっていけばいい」とねぎらった。

 森福は「ホールド王を取りたいのはあるけれど、その前にチームが優勝するのが条件です」という。地位向上には実力行使を続けるのみだ。シーズンを通したこんな競争がチームを強くする。表には見えないブルペン陣の準備が連勝での首位キープを支えた。【押谷謙爾】