<オリックス0-5日本ハム>◇9日◇ほっともっと神戸

 日本ハム上沢直之投手(20)が、球界屈指のエースに連勝した。オリックス戦で7回1/3を投げ6安打無失点。前回登板の2日に続き金子との投げ合いを制し、5勝目を挙げた。3年目の今季1軍初登板を果たした右腕だが、チームトップの勝ち星を挙げ、いまや大黒柱に成長。チームは連敗を3で止め3位に浮上した。

 上沢が、また金子に勝った。プロ最長の7回1/3を投げ散発6安打無失点。「他球団エースが投げるカード。しっかり勝てたことは、これから強い気持ちを持って投げられる」。りりしい姿はナイター後の暗がりの中でも輝いていた。

 ちょうど1週間前の2日オリックス戦。初めて金子と投げ合い、7回5安打1失点で勝った。そして、くしくも2戦連続で再戦が決まった。「そこまでプレッシャーは感じなかった」。それ以上に連敗中のチームを救う責任を感じていた。

 逆境に立たされ、力は湧き上がった。2点リードの4回。先頭打者糸井にど真ん中の直球をフェンス直撃の中越え三塁打とされた。「金子さんだったので1点もやりたくなかった」。無死三塁のピンチに燃えた。続く4番T-岡田に、この日最速145キロの外角高めの直球。空振り三振に切った。勢いに乗ってペーニャ、鉄平を宝刀フォークで空振りを誘い3者連続三振。無失点に抑えた。

 前日8日の福岡から神戸への移動休みに入団同期の近藤と2人で神戸有数のデートスポットへ出かけた。新神戸から世継山(よつぎやま)にかかる神戸布引ロープウエーに搭乗。周りを見渡せばカップルだらけのアウェー状態だった。「絶対ゲイだと思われた」。身長差14センチの男2人組。視線が突き刺さりながら、山頂から神戸市街や神戸港を眺めて楽しんだという。

 チーム最多の5勝目で、連敗を3で止めた。栗山監督は「(金子を)意識しないほうがおかしい。前に進んでくれているんだなという手応えを感じる」と評した。ハイスピードで飛躍し続ける20歳。はるか先のゴールへ進んでいく。【田中彩友美】