<阪神2-4巨人>◇9日◇甲子園

 甲子園でも巨人戦でも緑の虎でも…勝てなかった。痛~い逆転負けで今季初の3連敗だが、下を向いていても仕方ないぞ。4回の先制はこの男がたたき出した。4番マウロ・ゴメス内野手(29)が7試合ぶりの6号ソロをドカーン。伝統の一戦初アーチは、甲子園左翼スタンドの中段まで運ぶ特大の1発だった。GW9連戦の7戦目にしてようやく初アーチ初打点。そう、やまない雨はないんや~。

 孤軍奮闘では巨人には勝てない。ゴメスはわずかに眉間にしわを寄せ、悔しさをにじませた。打線が低調のまま、今季初の3連敗。敗軍の列がクラブハウスへと引き揚げるなか、立ち止まって言う。

 「しばらく点を取れていないけど、その前はチームとして点を取れていただろう。野球は、そういうこともある。自分は、自分のやるべきことをやるだけさ」

 確かに、4番の一撃で重苦しいムードを消した、はずだった。両チーム無得点の4回。先頭で打席に入ると、大竹の不用意な初球を見逃さない。真ん中の直球だ。容赦なくフルスイングすると、高々と舞う弾道は左翼席へ。1日広島戦以来、7試合ぶりの6号ソロで先制。来日初めて「伝統の一戦」でアーチをかけて気勢を上げた、はずだった。だが、起爆剤にならない。湿ったままの導火線に火はつかなかった。

 チームはトンネルから抜け出せないが、大砲が好調をキープするのは救いだ。「初球に甘い球が来て自分としては、いいスイングをできた。きっちりととらえられた。毎打席、好球が来たら積極的に振りにいく。そういう気持ちでいるよ」。直前の3回、先頭荒木からの攻撃は初球がすべて甘めの球だった。そのリズムで4回も攻めてきた大竹に、強烈な一撃を見舞った。

 開幕から1カ月以上がたち、敵も弱点を徹底的に攻めるようになる。ミスショットした自打球に痛がる光景が出始めたのも、その兆候だろう。当初は装着していなかったレガーズを、5月初旬から着けるようになり、故障防止に努める。

 アーチもそうだが、打点も7試合ぶり。35打点となり、リーグトップの広島エルドレッドに1点差に迫った。6本塁打はマートン、新井良と並んでチーム最多だ。もう、誰もゴメスのアーチに驚かない。G砲の大暴れこそが、弱っている打線の「特効薬」になる。【酒井俊作】