巨人に加入するキューバ代表のフレデリク・セペダ外野手(34)がいきなり4番デビューを飾る可能性が出てきた。12日、モスクワ経由で来日し、都内での会見に出席した。キューバ政府に公認された他国リーグでのプレーに使命感を示し、来日前の万全の調整をアピール。同席した原辰徳監督(55)は最短で15日ヤクルト戦(東京ドーム)での1軍登録の可能性を示唆した。

 セペダは使命感を背負い、日本に降り立った。政府公認の第1号選手として日本球界に挑戦する。長旅の疲れも見せず、決意を表明した。「(第1号を)誇りに思うし、私に続いて日本に多くの選手がやってくるだろう。また日本に野球をしにきただけとは思っていない。日本の野球を学んで向こうに伝えるのも使命だと思っている」。静かな語り口に強い意志を込めた。

 今日13日から2日間は2軍で調整し、15日に1軍の練習に参加し、首脳陣の前で打撃を披露する予定。実力至上主義による競争を伝えた原監督は同日ヤクルト戦での即1軍登録についても言及した。「白紙だが、可能性はなくはない。本人はスタンバイできているという状態。彼の力を探ろうという気持ちはさらさらない。準備さえできれば、近々、近未来のことだ」と絶大なる期待を寄せた。

 キューバ代表の4番を務めた男は、巨人でも打線の中枢に座る。今季は村田、アンダーソン、阿部を4番に据えたが、固定するまでには至っていない。原監督は09年WBC代表監督時にセペダの力量を体感している。「この選手を抑えない限り、日本は世界一になれないなと。世界を代表するスラッガー」。鮮烈な印象が現在の力と合致すれば、打線のど真ん中に鎮座させる可能性は高い。DH制のない試合では「レフト1本で勝負してもらおうと思う」と好調なアンダーソンを左翼から他の位置に回す考えも示した。

 セペダは日本デビューに向けて牙を研ぎ続けていた。「1カ月ほど前に国内リーグは終わったが、キューバは何らかの形で1年間、野球をやっている。1週間のオフ後は、練習してきた。(近年はDHでの出場が主も)守備も代表で17年間、守ってきたから心配ない」。ベールを脱ぐ日は目前だ。【広重竜太郎】