<中日2-1ソフトバンク>◇25日◇ナゴヤドーム

 こりゃ本物だ。中日浜田達郎投手(19)が、チームの10代では近藤真一以来、27年ぶりとなるデビューから先発3連勝を飾った。本拠地のファンの声援を浴びお立ち台に上がった左腕は「野手の方に感謝です。粘って投げることができた。気持ちで押せたことがよかった」とすがすがしい笑顔だ。

 躍動感のある、躍るようなフォームはこの日も健在だ。140キロ前後の直球に「腕の振りがだいぶよくなった」というフォーク。そしてスライダーが効果的に決まる。ソフトバンクの強力打線から凡打の山を築いた。8回、適時打を許しナゴヤドーム連続完封こそ逃したが、7回2/3を4安打1失点。毎回、先頭を打ち取り四球は1つだけだった。

 10代らしからぬ頑固さものぞく。浜田はほとんど肩や肘のアイシングをしない。一般的に炎症を抑え、疲労回復を早めるとされるアイシングだが、普段の投球練習後にはせず、試合日だけと決めている。「自分の中でいい張りを感じながら投げたい。高校の時からです」。愛工大名電の大先輩・工藤公康氏(51=日刊スポーツ評論家)の著書を参考に独自のケアを貫く。

 先発が踏ん張り中継ぎで逃げ切る。そして最後は守護神岩瀬。強いドラゴンズがナゴヤドームでお得意としていた勝ちパターンだ。チームは今季3度目の4連勝。チームに流れを運ぶ19歳は最後に「どんどん勝ち星をつけたい。次も絶対に勝ちま~す」と笑顔でヒーローインタビューを締めた。【桝井聡】

 ▼浜田が無傷3連勝。デビューから3連勝した10代投手は13~14年に5連勝した大谷(日本ハム)以来になるが、中日では88年上原以来、26年ぶり。上原はすべて救援勝利で、先発では87年近藤が8月9日巨人戦、16日広島戦、23日阪神戦で3連勝して以来、27年ぶり。