<日本ハム3-1阪神>◇5月31日◇札幌ドーム
無情の打球が右中間スタンドへ飛んでいった。同点の9回2死一塁、阪神3番手安藤優也投手(36)が投じた変化球は外角に構えた清水のミットよりわずかに内側へ。ミランダがバットを一振りして勝負は決まった。白球を見上げたセットアッパーは相手の歓喜の中、唇をかみしめてベンチへと歩を進めた。
サヨナラ負けで3連敗。言葉はなかった。安藤は報道陣の問いかけにわずかにうなずいただけで、帰りのバスへと乗り込んだ。先発能見が8回1失点と踏ん張った。9回は加藤が2死を奪い、安藤へ。万全を期して必勝継投に出たが、痛恨の結末が待っていた。
投手陣のリーダー福原が不在の中、安藤は必勝継投を一身に背負っている。だれもが貢献を認める中、中西投手コーチは勝負の“あや”を指摘した。
「中田に気を使いすぎたな。ホームランが出ていない打者だったからなあ。慎重に投げすぎていた。外角にいきすぎた」
9回2死、4番中田の場面で安藤は投入された。1発厳禁の局面で経験豊富なベテランは外角のボール球から慎重に入った。結果はカウントを悪くして四球。続くミランダに被弾した。中田がこの日まで16試合ホームランなしだったことを考えれば…。そう振り返った中西コーチも、また、苦悶(くもん)の表情を浮かべていた。
安藤はこれで2試合連続失点となった。交流戦、苦戦しながらの勝利を支えてきた必勝リレーは、やはり猛虎の命綱だ。福原の帰還まで正念場が続く。【鈴木忠平】



