<巨人4-3西武>◇6日◇東京ドーム

 西武田辺徳雄監督代行(48)が「一丸采配」で初陣に挑んだ。結果は延長サヨナラ負けだったが、堂々の初采配だった。試合後は落ち着いた表情で「選手も集中して全力で戦ってくれた。緊張せずに平常心でできたことは良かったと思う」と言葉を並べた。

 田辺流のベンチワークを発揮した。1点を追う7回。先頭炭谷に代打星を起用。星が二塁打で好機を演出すると、2死二、三塁から栗山の同点打へとつなげた。「(2軍から)星は打撃の調子がいいという情報が入っていたので迷わずにいった」。2軍首脳陣を含めチーム全体で戦っていることを体現した。

 守備面においても同様だった。7回は藤原でしのぎ、8回からは増田-高橋の勝ちパターンをつぎこんだ。「バッテリー系のコーチの進言があった。点を取る前提で攻めの姿勢で行った」と袴田ヘッドコーチらとのスムーズな連携も確認した。サヨナラ打を許した豊田には「次また行ってくれ。しっかりと借りは返せ」と気遣いも忘れなかった。

 試合前、「若い選手が萎縮しないで若さを前面に出して、元気よくプレーさせたい」と宣言。遠慮、配慮ではない。逆襲に向けた攻めの姿勢をベンチから示した。【為田聡史】