「代打のカニ様」だ。ソフトバンクのバーバロ・カニザレス内野手(34)が今日14日からのDeNA2連戦(ヤフオクドーム)で代打でスタンバイする。

 外国人枠の関係で前日12日、今季60試合目の中日戦でようやく初昇格。5回に代打で登場し左前に初打席初安打を放った。

 「代打は難しい。試合前から準備して、言われたときにすぐいけるようにしないといけない」と話すが、実は米マイナーでも“カニ様”だった。「09年か10年に代打で12打席連続安打を打ったことがあるよ」。ブレーブス傘下3Aという高レベルでの偉業というから驚きだ。日本では03年ロッテ初芝の7打席連続安打が最高。打数でも00年種田(中日)の11打数(6安打、5四球)がトップ。日本では最高記録級だ。

 13日の打撃練習でもセンター中心にライナーで打ち返した。藤井打撃コーチは「カニは広角に打てる」と甲殻類のカニにかけて?

 褒めた。2軍暮らしの間も1軍の試合をテレビで見ていた。相手の球種だけでなく、コースや配球なども研究。1打席へかける準備は怠らない。現在、右では吉村が好調。長距離なら江川もいる。確実性で信頼を得るしかない。

 キューバ出身でDeNAグリエルとは約10年ぶりの再会となる。練習後には「電話してみるよ」と対面を楽しみにした。前日中日戦での初安打の記念球は、この日大事に持って帰った。日本で成功しようとする34歳助っ人が、キューバの至宝とよばれる後輩の前で鋭い一振りを披露する。【石橋隆雄】