巨人フレデリク・セペダ外野手(34)とレスリー・アンダーソン外野手(32)が、母国キューバの野球少年たちに用具をプレゼントすることが23日、分かった。キューバ国内では用具がそろわず、夢をかなえられない少年が多いだけに「あしながセペさん&アンちゃん」が橋渡し役となる。

 6月のある日。東京ドームの選手ロッカー室に、茶色の段ボール箱が置かれていた。側面2カ所にはマジックで「CUBA」と記されていた。セペダとアンダーソンの心意気に仲間が賛同し、プレゼントを贈ることになった。アンダーシャツ、バッティンググローブ、リストバンド。使用済みに、新品など空だった箱は日に日に埋まっていった。

 発起人はセペダだった。「子どもの時、野球をするのも本当に不便だった。野球が好きな子どもを応援したいんだ」。来日し、恵まれた環境に感謝し、思いはさらに強くなった。アンダーソンも同じ気持ちで「キューバの子どもたちは、野球をやる可能性がなくなってきている。僕は今キューバに住んでいないけど、出来ることはやっていきたい」と熱っぽかった。

 キューバの野球人にとって、道具は宝物だ。セペダは、06年の第1回WBCで交流したDeNA多村のバットを、今でも大切に使っている。13年の第3回大会で使用したデイパックも、毎日の通勤で背負う。たとえ「お古」でも、母国の少年たちにとってはこの上ないプレゼントになる。

 巨人とキューバ野球連盟は友好協定を結んだ。技術や選手の交流だけでなく、両国間には心温まる交流も生まれる。2人はできる限り継続するつもりでいる。