<阪神2-2中日>◇27日◇甲子園

 痛すぎる12回ドローだ。中日は延長12回、守護神岩瀬が1死満塁のピンチを何とかしのいだ。負けずによかったといえる引き分けだが、ベンチ裏では首脳陣が平田良介外野手(26)の戦線離脱に頭を抱えていた。左足首の捻挫。森ヘッドコーチは「ダメなものはダメ。抹消するしかねえだろ」と厳しい表情で2軍落ちを明かした。

 5回の守備だった。1死二塁。右翼ファウルゾーンへの梅野の打球を追って落下点に入った時、芝に引っかかるような形で足首をひねった。何とか捕球したが顔をゆがめ、起き上がることすらできない。担架が運び込まれ、退場となった。救急車が呼ばれ、西宮市内の病院へ直行。左足首の捻挫と診断された。

 藤田チーフトレーナーは「骨は大丈夫だと思う」と話した。本来痛みに強い平田の痛がり具合からして、前半戦の出場は厳しいとみられる。28日以降に名古屋へ戻って精密検査を受ける。診断結果によっては長期離脱の可能性も出てきた。

 打率2割7分9厘、5本塁打、34打点。開幕4番からは降格したが、ポイントゲッターの6番として欠かせない存在で、右翼の守備力も大きな戦力。上位浮上を目指すチームにとっては大きな痛手だ。

 谷繁兼任監督は「まだ結果を聞いていない。様子を見てこれからです」と祈るように話した。リーグ戦再開早々、試練を迎えた。【松井清員】