<ソフトバンク3-2楽天>◇4日◇ヤフオクドーム

 プロ初ホールドだ。楽天松井裕樹投手(18)がソフトバンク戦で、2-2の6回2死二、三塁で登板。柳田を1球で一ゴロに仕留めた。続く7回も無失点に抑え、ホールドを記録した。05年に現行のホールド制度が始まって以降、パ・リーグの高卒新人では初めてだった。前回登板でプロ初勝利を挙げたのに続き、着実にステップアップしている。チームはサヨナラ負けで、単独最下位に落ちた。

 勝ち越しは許さなかった。2点リードの6回、2番手クルーズが同点とされ、なお2死二、三塁のピンチだった。松井裕は気合十分でマウンドに向かった。ソフトバンク柳田に思い切り腕を振った。狙ったところより高かったが、141キロの勢いが勝った。1球で一ゴロに仕留めると、駆け足でベンチへ帰った。7回も0に抑え、ホールドを記録。「(6回の)あの場面でアウトを取れた。リリーフとしてアウトを取れたのはプラスです」と振り返った。

 反省点も忘れなかった。7回は2四球を出し、2死一、二塁を招いた。今宮の当たりは、中堅への大飛球。抜ければ確実に2点が入っていた。前進守備の聖沢が懸命に追い掛け、ランニングキャッチの好守で切り抜けた。ベンチ前で聖沢を出迎え感謝した松井裕は「3者凡退の良い流れでいった方が、もっと良かったです」と言った。

 ルーキーとして、充実の毎日を送っている。前回2日のオリックス戦ではプロ初勝利。この日はプロ初ホールドだ。「この前は勝っている場面で、今日は同点の場面。やりがいを感じます。このポジションを勝ち取って、持続していければいいです」と誓った。

 大久保監督代行も「(ステップアップは)してるね!

 柳田に、しっかり投げていた。根拠があるよ。フォームが固まってきた」と評価した。躍動感のある投球フォームが戻り、これで中継ぎとして3試合連続無失点。試合はサヨナラ負けで単独最下位に落ちたが、松井裕の投球は明るい材料だった。これを続けていけば、チーム浮上の戦力となるはずだ。【古川真弥】