<DeNA2-3阪神>◇4日◇静岡
阪神マット・マートン外野手(32)がどんよりした空気を一振りで一掃した。晴天時には球場から見える富士山も曇天で姿なし。天候同様に暗かった雰囲気が、6月14日西武戦以来、45打席ぶりの同点9号2ランで一変した。
「目の前のボールをしっかりたたくことだけを考えた」
6回2死一塁。5回までわずか1安打で無得点に封じられていたDeNA井納の失投を逃さなかった。内角高めに浮いた134キロのフォークをジャストミート。打った瞬間にそれと分かる一撃に、静岡の1万9164人が沸いた。スキップをするように走りだすと、喜びをかみしめながらダイヤモンドを1周した。
「メッセンジャーを始め、ピッチャーがよく投げてくれていた。打線として形は良くなかったけれど、それ(勝つ)だけの点が取れて良かったよ」
「ナイスコンビ」は健在だった。この日の先発メッセンジャーの登板試合は、試合前までで58打数20安打の打率3割4分5厘をマーク。なかなか打線の援護に恵まれず5勝止まりだった右腕とは、それでも好相性のデータがあった。初回2死一、二塁では空振り三振でチャンスをつぶした。そのお返しとばかりに、6勝目につながる2点をプレゼントした。
「チームにとっては大きな勝利だね」。試合後、太く頼もしい腕で、ベンチ裏に用意されていた大量のサンドイッチを抱えながら笑った。チーム関係者が「歴代の外国人の中でもこれだけウエートトレーニングするのは珍しい」と話す努力家。頼もしすぎるマートンが3連勝を引き寄せた。【松本航】
▼マートンはメッセンジャーとともに先発した今季16試合(5月11日巨人戦のみ欠場)で、打率3割4分4厘(61打数21安打)。他投手先発試合での3割5厘(213打数65安打)を大きく上回る。とりわけナイターでのメッセンジャー登板試合では、打率3割7分(46打数17安打)にはね上がる。



