<ソフトバンク5-7楽天>◇5日◇ヤフオクドーム

 楽天ベンチで、誰よりもはしゃいだのは大久保博元監督代行(47)だった。3点を追う9回、それまで2度の満塁機を逸していた打線が、やっとつながった。3連打で無死満塁としてから、銀次の二塁打とジョーンズの犠飛で追いついた。最後は岡島が決めた。2死二、三塁で、ソフトバンク・サファテから2点右前打を放った。その瞬間、大久保監督代行は、もろ手を挙げた。右左と動き、みんなと喜び合った。「奇跡だ!

 信じてあげれば奇跡は起きる」。

 前日のショックはなかった。この日の朝、宿舎のエレベーターでサヨナラ打を打たれた福山と一緒になった。「目がキラキラしていた。大丈夫だと思った」。選手の切り替えを確信し、試合前のプランを、こう立てた。「5点、取ろう」。勝ち頭の則本が先発でも、打たれることもある。「完封は続かない。4点は取られるかも知れない。あわてるな」。そう野手に呼び掛けた。得点も、失点も、予想を上回り勝利した。

 負け試合後も、ミスした選手を悪く言わない。代行の立場。心で思っても、あえて口にしないのか?

 即座に否定した。「全くの本心。ミスを防ぐ練習をさせている。ミスした選手を、俺が選択したんだ。PDCAだよ」。Plan(計画)を立て、Do(実行)し、Check(評価)を加え、Act(改善)して、次のPlanにつなげる。事業活動のマネジメント手法でチームの成長を狙う。

 プラン通り、打線で勝った。「まだまだ。今から優勝を狙うと言っている」。首位オリックスとは15ゲーム差でも、目指す場所を明確に掲げた。【古川真弥】