<DeNA0-3阪神>◇5日◇横浜
頼もしや~。阪神マウロ・ゴメス内野手(29)の一振りが試合を決めた。0-0の7回、失投を逃さずガブリ!
中堅左に14号決勝2ランをたたき込んだ。これが4番の仕事だ。6月8日以来の猛打賞もマークした4番はノリノリ絶好調。アベック弾の今成とはベンチ前でそろってコマネチポーズまで決めた。
じりじりする試合に決着をつけたのは主砲だった。両軍無得点で迎えた7回、1死一塁、DeNA先発モスコーソのスライダーが高めに浮いたところを逃さなかった。快音を残した打球は虎党の願いを乗せてハマの夜空へ。決勝2ランがバックスクリーン左へ飛び込むと、歓喜が爆発した。
「自分のタイミングでしっかりとスイングできたからスタンドに運ぶことができたんじゃないかな」
4番の仕事だけではない。ムードメーカーも買って出た。お祭り状態のベンチ前では、今成と両手、お尻を合わせた後に「コマネチ!」で締める新パフォーマンスを披露。関係者によれば「コカンセツ」というネーミングで、この日の試合前に鶴岡からヒントを得たゴメスが、今成に持ちかけて考案したものだという。
「何かチームを盛り上げることをやろうと話して、互いにアイデアを出し合った。楽しんでやろうとね」
これで14本塁打、66打点はいずれもチームトップ。来日1年目から押しも押されもせぬ4番打者として不動の地位を築いている。日本特有の長い練習時間、蒸し暑い梅雨にも、まったく影響を感じさせない。日本の国民的ギャグ「コマネチ!」の動きをすぐにマスターし、仲間との交流をはかる。活躍の裏には、そんな順応性の高さがある。
開幕前、まだゴメスが合流したばかりの頃、スタッフが驚いたことがあった。控室にあった「おにぎり」を違和感なく口にしたという。実は、来日より早く日本文化に触れていた。
ブルージェイズ傘下3Aにいた昨季、同僚に川崎宗則がいた。英語は未熟ながら積極的に仲間やファンとコミュニケーションを取り完全にとけ込んでいた。そんな人気者がある日、ゴメスに差し出してくれたものがあった。夫人が握ってくれたという「おにぎり」だった。初めて触れた日本人の原点-。不思議な縁はそこから始まっていた。
夏場の7月に入って4試合で2本塁打、6打点と量産の予感が…。「寒いのは好きじゃないから。湿気があっても、暑い方がいいよ」。おにぎりから、ビートたけしまで。何でも受け入れる頼もしき助っ人が猛虎快進撃の夏をけん引する。【鈴木忠平】



