巨人とDeNAの両軍ナインは8日、史上最大級の台風の前に缶詰め状態となった。台風8号の影響でDeNA-巨人(沖縄セルラー那覇)は前日7日にすでに中止が決まっていたが、台風8号が沖縄本島に接近し、特別警報が発令されたこの日は練習も中止。外出禁止で宿泊先ホテルから出られず、静養に専念するしかなかった。自然の猛威と、今日9日も悪天候が予想される中で戦いの再開をジッと待つチームに潜入した。

 まさに球場が史上最大級と称される台風8号の猛威にさらされていた。海沿いに立つ沖縄セルラースタジアム那覇。すでに試合の中止は前日7日に決定していたが、直撃前の昼すぎに様子を見に行った。階段を上がり、スタンドへ抜けようとした時。ビル風のような強風で体重70キロの体が吹っ飛ばされそうになる。防水シートは張れず、黒土が豪雨にさらされていた。陸上短距離では追い風1メートルで0・1秒のタイム短縮と言われるが、風速30メートル近いこの日なら3秒の短縮というのも、理論上納得できた。

 チームは完全に宿舎に軟禁となった。気象庁が「命を守る行動を取って下さい」と定める特別警報が発令された。巨人は宿泊先から車で約5分の室内練習場に移動することもできない。午前中に練習の中止と外出禁止が選手に通達された。海に隣接する宿舎で高層階は強風で揺れ、海側の部屋は窓の隙間から水も漏れ込んできたという。自然の力を見つめるしかなく、文字通り、缶詰め状態を強いられた。

 阿部は「春季キャンプでお世話になっているこの地で試合をできることを楽しみにしていたが、本当に残念。各自で準備をして明日に備えます」と話した。宿舎にはジムもなく本格的なトレーニングもできない。今日9日にスライド先発する菅野はストレッチなどで準備した。他の選手も体幹トレーニングを行ったり、県内でも有数のスパ施設に入ったり、部屋でビデオを見てリラックスするなど思い思いの時間を過ごした。

 台風には慣れている地元の人々も驚く威力だった。観光客でにぎわう国際通りは人影はほとんどなく、臨時休業の店がシャッターを下ろした。タクシー運転手は「台風が来てても国際通りを抜けるのには時間がかかるのに今回はガラガラ。いつもこれぐらいすいているといいけど」と苦笑い。強風にあおられないように、ハンドルをしっかり握り、落下している木々を避けながら運転していた。

 巨人は10日間で3試合目の中止と東京ドームを本拠地とするチームとしては珍しい状況。それでも秋田、広島から東京を経ての沖縄と長距離移動を繰り返してきた中、休養十分と前向きにもとらえることもできる。原監督は「台風8号が早く過ぎ去り、明日9日の試合ができることを祈っています」と話した。戦いの準備を整え、台風が過ぎ去るのを泰然と待つ。【広重竜太郎】