巨人が7連勝中と好調な阪神を相手に、好調な3投手を配する「ジグザグ」ローテで勢いを止める。11日の初戦に大竹寛投手(31)、2戦目に杉内俊哉投手(33)を起用。3戦目には6日の中日戦で今季初勝利を挙げた沢村拓一投手(26)が先発する。原辰徳監督(55)は「恥ずかしくない戦いをしたいです」と宣言。強力打線に臆せず、強力先発陣で伝統の一戦を制する。

 帰京前の那覇空港、原監督は好調な阪神打線の印象を聞かれ、「怖いねぇ」と目を見開いた。プロ野球新記録の27イニング連続安打を達成。今季初の7連勝と勢いに乗るライバルの力を認めた上で「恥ずかしくない戦いをしたいです」と闘志を込めた。2位広島とゲーム差なしの3位。直接対決で勢いを止め、リーグ3連覇への道を固める。

 好調な打線を相手に、好調な3投手を配する先発ローテーションを形成した。初戦は虎キラーの大竹を起用する。今季の阪神戦は3戦2勝、防御率1・37。「相性どうこうではなく、1アウトでも、1イニングでも多く投げたいです」と意気込む右腕が先陣を切る。2戦目には2000奪三振に残り3の杉内。3戦目は6日の中日戦で初勝利を挙げた沢村でねじ伏せる。

 虎封じのポイントに挙げたのは、1番上本、2番大和の出塁だった。ともに粘っこく、簡単にアウトを取るのが困難な打者。川口和久投手総合コーチ(55)は「1、2番だね。しつこく粘られるときつくなる」と指摘。杉内は「ゴメス、マートンの前に走者を出さないこと」と肝に銘じた。同コーチは「ランナー出してからの1発が一番ダメ」と走者なしで好調のゴメス、マートンを迎えるのが勝機と捉えた。

 今季、東京ドームでの開幕カードは、巨人打線が爆発。勝ち越しを決め、開幕ダッシュを決めた。川口コーチは「乗せると爆発力がある」と警戒するが、打線の勢いを寸断すれば、ムードも一気にしぼむ。大竹は言った。「いいバッターとか意識しすぎず、1対1の勝負に集中して、投げていきたいです」。強力虎打線を、真っ向から迎える。【久保賢吾】