さあ、G3連倒での10連勝へ。虎が勝負ローテに踏み切ることが濃厚になった。今日11日から敵地東京ドームで巨人3連戦。初戦から好調メッセンジャー、能見を先発に立て、第3戦は中4日で岩田を投入する可能性が高まった。3連戦3連勝すれば、その差は一気に1・5に。和田阪神がウルトラCで大逆襲への勢いを加速させる。

 午前10時30分、台風8号の影響で早々と広島戦の中止が発表された。阪神ナインは甲子園室内練習場で汗を流した後、続々と決戦の地、東京へ。今日11日から東京ドームで巨人3連戦だ。7連勝の勢いで宿敵をのみ込むか、はね返されるのか。前半戦最大のヤマ場に、和田虎は勝負手の先発ローテ編成を準備していた。

 和田監督

 1戦、1戦だよ。やりたかったけどね。明日以降のことを考えるとね。いい雨にしたい。

 広島前田との対戦が消えて乗り込む敵地。初戦(11日)に右のエース・メッセンジャーを投入し、第2戦(12日)は左脇腹の違和感から復帰登板となるエース能見をぶつける。さらに第3戦目(13日)に、中4日で好調岩田をぶつけることが濃厚となった。

 岩田は8日広島戦(甲子園)に登板し、7回4安打1失点(自責はゼロ)でチームトップタイの6勝目を挙げた。113球を投じたばかりだが、左腕の安定感にかけた。規定投球回数にこそ達しないものの、リーグトップの防御率を誇る広島前田(2・16)をしのぐ防御率1・95をマーク。ノリノリの男にG倒を託したというわけだ。順番通りならルーキー岩崎となるが、10日、能見とともにブルペン入り。岩崎は14日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)にまわるとみられる。

 指揮官の強気のタクトに、役者達も腕を回した。それぞれが長いイニングを投げ、勝利の方程式を休ませようと張り切る。今日11日に登板するメッセンジャーは「マウンドに上がった以上、早く降りたいと思ったことは1度もない」と気合十分。メッセンジャーが巨人3連戦の初戦に登板するのは4月11日以来。当時は8回1失点の好投で流れをつかみ、カード3連勝につなげた。その再現へと、堂々の先陣を切る。

 開幕戦(3月28日)で5回途中10失点した東京ドームが、復帰戦となった能見は「場所が場所なんで、様子を見るようなことはしない」と初回から強気の投球に徹する。虎にとっては、巨人をとらえる最大の好機。今季を占うといっても過言ではない3連戦。恐れるものなどない。狙うのは、G3連倒での10連勝だけだ。