<広島7-10DeNA>◇15日◇マツダスタジアム

 投手陣よ、踏ん張ってくれ!

 広島ドラフト2位九里亜蓮投手(22)がDeNA戦で3回8安打3四球3失点と崩れ、5敗目(2勝)を喫した。1点ビハインドで登板した3番手今井啓介投手(27)も3回8安打5四球7失点と大誤算。前日の粘りのドローをつなげられず、5位DeNA相手に痛恨の敗戦。2位阪神に1・5ゲーム差とされた。

 幕引きをせかすかのように、涙雨が強まった。8回表終了後、大雨のため試合は30分間中断。この時点で8点ビハインドでは、粘り強い打線の反撃もさすがに届かない。投手陣の大崩れに、普段は温かい鯉党もさすがに堪忍袋の緒が切れたのか。マツダスタジアムには珍しく、時おり怒声が響き渡った。

 前日14日DeNA戦はビハインドを3度追いつき、5時間39分に渡る12回の死闘を引き分けた。一気に流れに乗りたかったが、4月19日DeNA戦以来の白星を狙った先発九里が誤算だった。1点ビハインドの3回1死二塁で4番筒香に痛恨の2ランを浴びるなど、3回を8安打3四球3失点。ここ5試合で3度目となる3回降板で「打たれた球は全部高くて甘かった」と猛省した。

 九里以上に苦しんだのは3番手今井だ。1軍初登板した2番手池ノ内は4回の1イニングをなんとか無失点。1点ビハインドのまま5回からバトンを受け取り、6回に大炎上した。1失点して、なおも1死満塁の場面。8番黒羽根を投ゴロに仕留めたまでは良かったが、二塁にまさかの悪送球。さらに押し出し四球、2点打を献上し、この回だけで5失点。7回は被弾と大暴投で2失点し、3回で85球を要して8安打5四球7失点。内容が悪すぎた。

 交流戦明けの14試合を終え、エース前田以外の先発投手に白星がついていない。先発陣の不調が救援陣のフル稼働につながり、この日の今井は3連投だった。投手陣の苦しい台所事情を払拭(ふっしょく)できないまま、2位阪神と1・5ゲーム差に広がった。

 ▼広島投手陣が初回から四死球を1、1、1、2、1、2、2、1、1と毎回の12個出した。毎回与四死球は07年5月22日に中日投手陣がロッテ戦で記録して以来、プロ野球史上10度目。セ・リーグのチームは96年巨人(対広島)97年中日(対広島)前記07年中日に次ぐ4度目で、広島は初。