広島に新加入したデュアンテ・ヒース投手(28=ホワイトソックス3A)は8月中旬の6連戦を照準にする。28日、マツダスタジアムでの投手練習に加わり、汗を流した。キャッチボールでパワーの片りんを見せるとともに、約2週間で戦線に加わる意気込みだ。

 この日は29日からの中日3連戦(マツダスタジアム)に先発が予定される野村、バリントン、戸田の3投手が練習する予定だったが、そこに新加入のヒースが姿を見せた。

 「まだ時差を感じるね。昨夜(27日阪神戦)は試合を4回まで見て、その後に帰宅したら倒れるように眠ってしまったよ」

 気さくに話す新助っ人だが、7月に緊急補強されるだけの力はうかがわせた。バリントンや畝投手兼分析コーチを相手にキャッチボール感覚でストレート、スライダー、カーブなどを投げた。右肩の調子を確かめる程度だったが、畝コーチは感嘆の声を上げた。

 「真っすぐが伸びるね。遠投でもボールが落ちてこない。テークバックが小さく、打者から見にくいフォームだ。本格的な投球ではないけれど、映像で見たのと同じ感じだね」

 本人は「軽く投げただけだよ」と肩をすくめたが、自身で「パワーピッチャー」というだけの片りんはうかがわせた形だ。

 今後は、まず1軍の練習に加わる中日3連戦中に、ブルペン入り。その後に2軍戦で1、2試合程度登板する予定だ。もちろん投手だけでもバリントン、フィリップスといる外国人枠の問題もあり、競争になるが畝コーチは「起用するなら先発。準備は2週間程度です」と話した。

 1軍枠の競争を勝ち抜き、晴れて登録されれば、デビューは8月12日からの地元6連戦(ヤクルト、巨人)が濃厚になる。

 「地元でいいパフォーマンスを見せたいね」と意気込むヒース。夏真っ盛り、お盆の季節に、上位を追い、そして抜き去るための戦力となれるか。【編集委員・高原寿夫】

 ◆デュアンテ・ヒース(Deunte

 Heath)1985年8月28日、米ジョージア州アトランタ生まれ。06年にドラフト19巡目でブレーブスに指名され、10年にホワイトソックス移籍。メジャー通算8試合0勝0敗、防御率10・24。マイナー通算243試合(先発88試合)で36勝36敗、防御率3・77。今季は3A22試合で5勝1敗、防御率3・22。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。193センチ、109キロ。右投げ右打ち。