<オリックス8-1西武>◇30日◇ほっともっと神戸

 自慢の打撃をいきなり披露した。西武のドラフト1位ルーキー森友哉捕手(18)がプロ初打席初安打デビューを飾った。オリックス戦の8回の守備から途中出場。無難なリードで守備をこなすと、9回の初打席で右翼フェンス直撃の安打をマークした。母校大阪桐蔭が甲子園出場を決めた日に1軍の第1歩。チームは1-8の大敗で3連敗を喫したが、明るい話題をもたらした。

 迷いなく豪快に振り抜いた。18歳の森が1軍の舞台で、いきなり輝きを放った。8回の守備から炭谷に代わり途中出場。9回1死で迎えたプロ初打席で榊原と対峙(たいじ)した。「まずは打席に立てたことがうれしかった。それ以外は特に何も意識せずに打席に入った」。1ボールからの2球目、138キロ直球を芯で捉えた。打球は強烈な弾道で右翼フェンス直撃。プロ初打席初安打をマークした。

 プロ入りから約半年。1月の合同自主トレ前は「早く1軍でプレーしたい」と焦りもあった。だが、2月の高知2軍キャンプでは「今、やらなければいけないことがたくさんある。野球を勉強できているし、すごく充実しています」と、もっと先を見て腰を据えた。当初、球団も1年目はじっくりと2軍で育てるプランだったが、開幕後はイースタン・リーグ、67試合に出場し、3割4分1厘、41打点、5本塁打。文句なしの結果を示し、1軍昇格を自力で勝ち取った。

 27日の初昇格から4日目でようやく回ってきた出番だった。首脳陣は代打ではなく守備からの途中交代でデビューさせた。その意図は「まずは捕手として守れるようになることが大事」と森本人も自覚する。だから「打席よりも守備の方が緊張しました」と頭をかいた。明日8月1日の楽天戦は藤原とのバッテリーでプロ初のスタメンマスクが濃厚。「結果を残せたことはうれしい。でも(守備で)力が発揮できていない。まだまだアカンなと」と新人らしくはつらつと言った。

 この日、母校の大阪桐蔭が3年連続の夏の甲子園出場を決めた。高校時代に格別な存在感を発揮した森らしく、プロの世界でも鮮烈デビューを飾った。【為田聡史】

 ◆森友哉(もり・ともや)1995年(平7)8月8日、大阪府出身。大阪桐蔭では4季連続で甲子園に出場し、2年夏は藤浪(現阪神)とのバッテリーで春夏連覇。甲子園通算14試合で打率4割7分3厘、11打点。左打者として歴代最多の5本塁打を放った。2年時からU18W杯の高校日本代表。高校通算41本塁打。13年ドラフト1位で西武入り。イースタン・リーグでは67試合で打率3割4分1厘、5本塁打、41打点。50メートル走6秒2。遠投100メートル。170センチ、80キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1300万円。

 ▼西武森がプロ初打席で初安打。高卒ルーキーの初打席初安打は桑原将志(福知山成美-DeNA)が12年10月1日中日戦で放って以来だが、西武では佐伯秀喜(国学院久我山)が90年9月24日の日本ハム戦でマークして以来、球団24年ぶりとなった。