<楽天5-1ソフトバンク>◇7月31日◇コボスタ宮城

 歯を食いしばり、敗因を背負った。ソフトバンク本多雄一内野手(29)だ。1回にまさかの適時失策。楽天に流れを渡した自分と向き合った。「急いだわけではないが、球足が速く、構えが遅れた。もっと早くグラブを出さないと。練習します」。眉間にはシワ、声も低かった。

 2年ぶり7連勝がスルリと逃げる痛恨のトンネル劇だった。1回1死一塁。岡島の二塁へのゴロは併殺コースだったが、本多の股間を抜けた。ゴールデングラブ2度、昨年も二塁手でリーグ最多72併殺の名手のミス。ボールが右中間深くまで転がる間に1点先制され、岡島は三塁まで達した。さらに一、三塁から銀次に中前適時打。楽天の先発塩見に好投されただけに結果的に痛い2失点だった。

 ただ「2次災害」を防げた可能性はある。岡島は楽々と三塁に達した。後逸に対する外野陣のカバーもやや遅れた。中堅柳田、右翼長谷川だ。「ゲッツーと思って、一瞬足が止まった。当然カバーしないといけないし、三塁まで行かせてはいけない。明日しっかり話をする」。担当の笘篠外野守備走塁コーチは本多以上に、準備不足を反省した。

 2回は東浜の暴投から失点もあり、連勝中は存在が薄れがちなミスからの黒星。秋山監督は「あの2点は守備。2回はピッチャーだな。あの辺を粘りきらないと」と気を引き締めた。いよいよV戦線が熱を帯びる8月。1つのミスが致命傷となる。正念場を控えてチームは高い勉強代を払った。【押谷謙爾】