<巨人2-2広島>◇1日◇東京ドーム

 広島前田健太投手(26)が底力を見せつけ、ほえた。同点で迎えた9回裏、先頭2番亀井に左中間二塁打を浴びて無死二塁。「バントの気配はなかったので、思い切って三振を狙った」。3番長野からは外角147キロで空振り三振をゲット。敬遠四球を挟み、5番ロペスは内角低め146キロツーシームで注文通りの三ゴロ併殺打に仕留めた。サヨナラ打を防ぎ、力強くグラブをたたいた。

 1点リードの3回、先頭8番寺内の右前打を天谷が後逸。まさかの展開で無死三塁とされ、9番菅野に詰まりながらも三塁線を抜かれた。同点の5回には7番村田に外角スライダーをバックスクリーンまで運ばれ、勝ち越し点を献上。それでも崩れないからエースと呼ばれる。9回112球を投げ、2失点(自責点1)で降板。「取りたいところでゲッツーを取れた。球数も少なく、うまく配分できた」と納得顔だった。

 ヤンキースなど複数のメジャースカウト勢が熱視線を送る中、球団9人目となる5年連続2桁勝利はお預けとなった。3・5ゲーム差で追う首位巨人との3連戦初戦は引き分け。マエケンで勝てなかったのは痛い。間違いなく痛いが、巨人打線にあらためて「マエケン怖し」を印象づけたことも事実だ。【佐井陽介】